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東京高等裁判所 昭和59年(行ケ)178号 判決

一 原告ら主張の請求原因事実1及び2は当事者間に争いがない。

二 そこで、審決取消事由の存否について検討するに、右請求の原因2の審決の理由の要点によれば、審決は、本件意匠と同種の意匠において、環状縁面の内側周縁に沿つて環状の引手が現れたものにしたもの、そのため環状縁面の幅を広くしたもの、内側周縁と引手との間に細溝が現れるようにしたもの等が本件意匠の登録出願前に普遍化していたことを前提として、その認定した本件意匠と引用意匠との環状縁面の差異を各部の部分的な差異又は細部的な差異にすぎないものとし、ひいて、本件意匠が引用意匠と全体的に類似すると判断したものであることが明らかであるが、本件においては、審決がその判断の前提とする前記事実について、これを認めるに足りる証拠はない。したがつて、審決の前記判断は誤りとしなければならず、また、その誤りが審決の結論に影響を及ぼすべきものであることは明らかであるから、審決は、違法としてこれを取り消すべきものである。

三 よつて、審決の取消を求める原告の本訴請求を正当として認容する。

〔編註〕 本件における事実関係は左のとおりである。

一 原告らの求めた裁判及び主張

原告らは、主文同旨の判決を求め、その請求の原因として、次のとおり述べた。

1 原告らの意匠権及び特許庁における手続の経緯

原告らは、昭和五三年五月九日、本意匠を意匠登録第四三八三一四号とする類似意匠として登録出願し、昭和五五年一二月一二日類似意匠としての意匠登録を受けた、意匠に係る物品を「包装用容器の封印冠」とし、別紙(一)のとおりの構成を有する登録第四三八三一四号意匠の類似第七号意匠(以下「本件意匠」という。)の意匠権者であるが、被告が、昭和五六年六月一二日、原告らを被請求人として、本件意匠の登録無効審判を請求したところ、特許庁は、これを同庁同年審判第一四二五二号事件として審理した上、昭和五九年六月一二日、「本件意匠の登録を無効とする。」との審決をし、その謄本は同年六月一九日原告らに送達された。

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